MENU

鍵屋のブログ

AI万能神話の影 - 防犯対策に必要な最新技術

凶悪化するロシアの独裁者を阻止できない無力感の中、初夏を迎えようとしています。
世界がパンデミックから復活しようとしている最中、全くもって不要な暴挙です。
私たちにも無縁のことではありません。
引き続き、ウクライナの人々の無事を祈り続けたいと思います。

明らかにAIがブームとなった感は、このところやっと落ち着き始めた気がします。
AIという言葉を口にするだけで高揚するマーケティング的な使われ方も、体感的にだいぶ少なくなっています。
狂った権力者の野望を予見して戦争を防止することもできず、何が人工知能は万能だ!という八つ当たりもしたくなりますが、それが可能な世界はSF的には相当暗黒になるはずです。

効率的にAIが活用ができる監視システム近未来SF的な防犯対策ではありませんが、私たち物理的セキュリティ対策を行う者にも、AIは随分と身近な用語になっているのは事実です。
では、巷でさかんに取り上げられているようなAI導入が、私たちの防犯対策にも必要不可欠なものとなるのでしょうか?
防犯カメラのビデオ映像の例から、そんな疑問に答えている記事が以下にありました。

Is AI really necessary for video surveillance?
https://www.ifsecglobal.com/video-surveillance/is-ai-really-necessary-for-video-surveillance/

結論から言うと、AIの導入が重要だとされる監視カメラであっても、当然ながら必要不可欠なものではないとされています。
その理由として、データ分析によって十分機能する既存のシステムが数多くあることが上げられています。
一般的には、最新のビデオ解析でかなり良い精度を得ることができる、ということのようです。

ただ、そういった従来のビデオ解析では、例えば木の枝を誤って侵入者と判断したための誤報などが起きやすく、そのせいでユーザーが使わなくなってしまうような事例があるそうです。
AIの導入はそういった誤報を減らし、監視オペレーターが犯罪や不審な行動をよりよく検知できるようになるという利点がある、と述べられています。
とは言え、その精度が100%になることはないので、AIベースのビデオ監視システムの精度に関して非現実的な期待をして、それが組織の真の問題から目をそらすことにもなりかねない、という警告もされています。

例として「某大手スーパーマーケットでAIシステムを導入し、30万人分の顔データを使い酒やタバコを買う客の年齢を確認しなくても良いことになっている」という話は、腑に落ちるものでした。
プライバシー問題はさておき、そもそも顔からその人の年齢を推測し、それをシステムに教え込んでAIを鍛えるのは人間なので、まずそこが正確ではないというのは私たちAIの素人でも気が付く問題点です。
更に専門家は、30万人分の顔データはデータセットとしては小さすぎて十分な精度が出せない、と指摘しています。

「結局、AIなんかセキュリティシステムには不要じゃないか!」というと、勿論そんなことはありません。
それでは、どういった場面でAI導入の防犯用のビデオ監視システムが必要になるのか?という事も、この記事の中で説明されています。
興味深いAIの活用例として、既にイギリス国内の300以上の小売店に導入済だというシステムが紹介されています。
AIは、必ずしも大規模組織や厳重なセキュリティシステムに使われれるわけでは無いようです。

これからますます人口が減り、労働環境も改善する必要がある日本です。
確かに、ビデオモニターで24時間昼夜問わず監視を続けるような過酷な労働条件下の警備の仕事は、ある程度自動化されたシステムに置き換えることが必要になるでしょう。
しかしそれは、これから徐々に移行されることが期待される話です。

今現在、防犯対策にAIが導入できないことは問題にはなりません。
既にある技術を使った防犯機器を、是非セキュリティ対策に役立てて下さい。

≫ 続きを読む

2022/04/29        キープランナー 代表   |    タグ:防犯カメラ , 入退室管理 , セキュリティ